サーミスタは金屬酸化物を主原料とし高溫にて焼結して得られるセラミック半導體で、その使用する材料によって様々な特性を得ることができます。
また用途に応じてサーミスタ素子を多種多様な形狀に柔軟に加工ができることから、自動車や家電、醫療といったあらゆる機器の溫度測定や溫度制御、溫度補償等に使用する溫度センサとして幅広く利用されています。
サーミスタとは、熱に敏感な抵抗體(Thermally Sensitive Resistor – Thermistor)の総稱で、溫度が変化することで抵抗値が大きく変化する半導體部品です。
溫度が上がることで抵抗値が下がる(図1參照)、負の溫度係數を有するものをNTCサーミスタ(Negative Temperature Coefficient Thermistor)と言います。
サーミスタは金屬酸化物を主原料とし高溫にて焼結して得られるセラミック半導體で、その使用する材料によって様々な特性を得ることができます。
また用途に応じてサーミスタ素子を多種多様な形狀に柔軟に加工ができることから、自動車や家電、醫療といったあらゆる機器の溫度測定や溫度制御、溫度補償等に使用する溫度センサとして幅広く利用されています。
サーミスタは溫度で抵抗値が大きく変化しますが、図1にも示した通り、溫度と抵抗値の関係は指數関數的に変化します。
サーミスタの溫度特性は、ある溫度範囲における抵抗値と溫度の関係は、式1の様に近似的に表されます。
T、Ta: 絶対溫度 (K)
R、Ra: T、Taにおけるゼロ負荷抵抗値 (Ω)
B :B定數 (K)
ゼロ負荷抵抗値とは、サーミスタは一定の溫度で抵抗値を測定し、自己発熱による抵抗値変化が無視出來るような十分低い消費電力で測定した場合の抵抗値をゼロ負荷抵抗値といい「R25」の様に表記されます。R25であれば25℃の時のゼロ負荷抵抗値を示します。
B定數とは、抵抗一溫度特性で任意の2點の溫度から求めた抵抗値変化の大きさを表す定數で、式2によって表されます。
Ta、Tb: 絶対溫度 (K)
Ra、Rb: Ta、Tbにおけるゼロ負荷抵抗値 (Ω)
B :B定數 (K)
この特性をlogRと1/Tでグラフ化すると、ほぼ直線で表すことが可能です。
B定數は「B25/85」の様に表記され、B25/85であれば25℃と85℃の2點間の抵抗値から算出した値を示します。
B定數は大きいと、グラフの傾きも大きくなるため、小さい溫度変化を検知しやすい、溫度変化に対し感度が高いということが言えます。
熱放散定數とは、熱平衡狀態でサーミスタ素子の溫度を、自己発熱によって1℃上げるために必要な電力を表す定數で、サーミスタの消費電力と素子の溫度上昇の比で求めます。
サーミスタの消費電力をP(mW)とすると、熱放散定數は式3で求められます。
熱放散定數はサーミスタの材料や構造、大きさにより決まります。
またサーミスタを溫度測定に使用する際には、測定溫度の誤差を生じないように、印加電力を出來るだけ小さくするのが望ましいです。
熱時定數とは、ゼロ負荷の狀態でサーミスタの周囲溫度を急変させたとき、サーミスタの素子の溫度が最初の溫度と最終到達溫度との溫度差の63.2%変化するのに要する時間を表す定數です。
熱時定數(τ)をn倍したときの溫度差の変化率は以下のようになり、
熱時定數の約3倍の時間で、溫度差の95%変化することとなります。
τ=63.2% 2τ=86.5% 3τ=95.0%
熱時定數が小さくなるほど、溫度変化に対する応答速度が速くなります。